2012年5月28日月曜日

睡眠時の”いびき”とがん死に関連性

がん死に関連する睡眠時呼吸障害 - 最大5倍のリスク上昇

睡眠中に”いびき”が酷く、一定時間呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」などの睡眠中の呼吸障害が、がんによる死亡リスク上昇と関連していることが判った。重度の睡眠時呼吸障害があった人のがんリスクは、障害が無かった人に比べて最大4.8倍のリスク上昇が確認された。

睡眠時呼吸障害は、心筋梗塞や心血管疾患だけでなく多くの疾患の死亡率を増加させることは既知だったが、これまでは、がんによる死亡率との関連は明確ではなかった。しかし、米国ウィスコンシン州の地域住民が1,522人を対象とした22年間の死亡データを調査した結果として、がん死と睡眠時呼吸障害の関連が明示されたのだ。

実際の調査では、1522人の調査対象者中の365人(24%)が「睡眠時呼吸障害あり」と診断され、この内の222人が軽度、84人が中等度、59人が重度と分類診断された。そして、追跡期間中に50人ががんによって死亡した。

データを分析すると、睡眠時呼吸障害のがんによる死亡と全死亡の関連が見られ、リスク上昇の程度は、軽度のグループで1.1倍、中等度のグループで2.0倍、重症のグループで4.8倍と、症状が重くなるほどにがん死のリスクも高まっていたのだ。この調査データ分析から睡眠時呼吸障害が、がん死リスクを増大させると結論された。

調査研究は、米ウィスコンシン医学・公衆衛生大学院によって実施され、 5月20日付の米医学誌「American Journal of Respiratory Critical Care Medicine」に報告された。