乳がんと腎臓がんに新治療法が発見された。
乳がんと腎臓がんの治療に既存の抗がん剤である「デシタビン」と「ロミデプシン」を併用投与することで期待できることを発表した。
「デシタビン」はDNAメチル化阻害剤のひとつ、「ロミデプシン」はヒストン脱アセチル化酵素阻害剤のひとつで、血液がん治療剤としてはすでにFDAの承認を受けている。
研究では、「デシタビン」と「ロミデプシン」の単独使用ではがん細胞は死なないが、2剤を併用することでがん細胞の増殖を止め、がん抑制遺伝子が活性化されることが発見されたのだ。
がん抑制遺伝子とは、がんの発生を抑制する機能を持つタンパク質をコードする遺伝子。がん抑制遺伝子に欠失、点変異などの変化により機能障害が生じた場合には、直接的に腫瘍化の原因となってしまう遺伝子なのだ。
併用での実験では、トリプルネガティブ乳がんおよび腎臓がん細胞の異なる細胞株を全て死滅させる「sFRP1遺伝子」を活性化させるという結果が得られたという。
このがん新治療法だけでなく、 sFRP1遺伝子のほかのがん治療への応用に関しても研究は勧められる予定で、 sFRP1遺伝子を利用した治療法が確立すれば、がん治療は飛躍的に前進する可能性が高い。
世界中から新しいがん治療法に期待が高まっている。研究は、米国ロチェスター市の総合病院メイヨークリニック(Mayo Clinic)で実施されている。