2012年10月17日水曜日

前立腺がん原因の食事と調理法

50代後半の男性にリスクが高まってくる前立腺がん。 診断・治療法が進化したことで、死亡率は減少傾向だ。 前立腺がんは、進行が非常に遅いタイプが多いため、直接的な死因になる人はごく一部だけだ。 しかし、がん発症リスクを減らことは、男性共通の課題と言える。

多くの癌と同様に前立腺がんのリスクも食生活に密接に関連している。 タンパク質は動物性ではなく、豆腐などの植物性が望ましく、肉よりも魚での摂取が望ましい。

米国南カリフォルニア大学の研究報告では、 高温で焼き上げた肉の摂取は、明白に前立腺がんリスクを上昇させるとのことだ。

この調査は、対象者が1096人。うち、早期前立腺がん患者717人、進行前立腺がん患者1140人で比較した結果、 豚肉や牛肉などの肉を週に1.5回以上フライパンで焼いて食べる男性の 進行前立腺がんのリスクは、30%も高かったのだ。 また、フライパンではなく直火焼きなど高温調理による赤身肉を週に2.5回以上食べると、 前立腺がんリスクは更に高く、40%まで上昇する。

一方、同じグループで調べられた鶏肉のがんリスクについては、 フライパン調理では同じくリスクが上昇したが、直火焼きでは逆にリスクの低下傾向が発見された。

このがんリスクの原因は、高温調理でタンパク質から発生する「HCAs」と、 脂身のコゲ部分や調理の煙に含まれる「PAHs」という強力な発がん物質に起因していることが判っている。

つまり、鶏肉の発がんリスクが少なかったのは、比較的に低脂肪であるためにPAHsの発生が少なかったと推論された。 しかし、フライパンでの調理ががんリスクを上昇させる理由はまだ解明されていない。 いずれにせよ、焼き過ぎた肉は量を控えるべきであることは明白ちなった。

日本人の前立腺がん罹患率が米国の10分の1以下と低いのは、 日本の伝統食文化が焼き物に偏らず、食品と調理方法が多様であることが大きいのだ。