鎮痛剤のアスピリンが、大腸がんの死亡率低減に効果的と判った。
アスピリンががん治療に有効とされたのは、特定の遺伝子に変異がある大腸がん患者に対しての治療効果だ。 大腸がんと診断された964人の経過を細胞を分析と合わせて追跡調査した結果に判明した。
大腸がん患者のうち「PIK3CA」というがん細胞の増殖に関与する遺伝子に変異があった161人と、遺伝子変異のない803人について、アスピリンを飲むかどうかで予後の違いを比較したのだ。
PIK3CA遺伝子変異があった患者群では、アスピリンを飲む習慣がなかった95人のうち大腸がんが原因で26人が死亡した。一方、アスピリンを週に複数回飲んでいた66人では、大腸がんが死因だったのは3人だけだったのだ。この調査結果から有意にアスピリンの有効性が示されている。
米ハーバード大の研究報告が、米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。