副作用の少なく、がん細胞だけに効く抗がん剤新薬へ、大きな発見がなされた。
開発されたのは、がん細胞だけに吸収される物質「CPP44」。 CPPはペプチドの一種だが、従来のペプチドは、がん細胞、正常細胞の区別無く染み込む性質だった。しかし、新開発されたCPP44ペプチドは、肝臓がんと白血病のがん細胞にのみ大量に吸収される性質を持つ。肝臓がんと白血病以外の細胞にはほとんど吸収されないのだ。このような性質のペプチドが人工的に作られたのは世界で初めて、この性質を抗がん剤へ流用することで、副作用を低減し、効果を画期的に高められる期待が高まっている。
実施されたマウス実験では、腫瘍の大きさが半分以下になるの成果が確認された。
これまでは、副作用の多寡が抗がん剤の最大の問題だったが、このペプチドを活用するできれば、がん細胞にだけ効果のある抗がん剤の開発が可能になる。
つまり、副作用が少なく、効果の高い新しい抗がん剤が続々と開発されうるのだ。
がん細胞だけに効くペプチドを世界で初めて開発したのは、愛知県がんセンター研究所と琉球大の研究グループ。論文は、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表された。