がん進行の要因となる遺伝子変異を特定する方法が世界で初めて発見された。
研究は初期段階なものだが、がん細胞が特定の遺伝子が結びついた時に変異の加速が起こり、 がん症状が悪化することが確認されたのだ。
がんの進行を早める変異をもたらす「がんの協力遺伝子」が特定されただけでなく、さらには、乳がんと肺がんを起こす変異に関して、サイトカインシグナル抑制因子(SOCS)を新たに発見した。これまでSOCSをがんと関連付けた研究報告はなく、画期的な成果と位置づけられている。
これらの遺伝子変異を利用すれば、 がんへの変異を特定するためのコスト低減が可能となり、関連した抗がん剤新薬の開発も期待されている。
発見したのはシンガポール科学技術研究庁傘下の分子細胞生物学研究所で、研究論文が米国の「ジーンズ・アンド・ディベロップメント」に掲載される。