2012年6月27日水曜日

3ミリ径で狙う最先端の放射線がん治療

初期のがんを3ミリ径のピンポイントで狙う、最先端のがん治療技術が開発された。

北海道大学が中心となって開発を進めてきた最先端の高精度X線がん治療機は、照射されるX線が3mmと従来の半分になっている。これによって、従来の直径6mm程度のX線ビームではがん細胞の周囲にある正常な組織を傷つけたが、新型機であればピンポイントでX線を狙い撃つことが容易になった。

さらに、照射機に装着されたアームで、上下左右前後の周囲の全ての方向から患者にX線を当てることが可能であるため、患者はあおむけの状態のままに体を動かさず治療を受けられ、負担が軽い。

従来の放射線治療は、35回も治療をする必要があったが、この新型の高精度X線治療機ならば、1cm程度のがんに対して、がん部位によらず約15分で治療が完了するという。

世界で初めての新型放射線治療機器は、海外の医療機関で臨床実験が進められる予定で、数年後には入院せずに切らないがん治療ができるだろう。